半田病院のあり方を再考する会

主に半田病院の移転問題について考える市民団体です。半田病院の建設地は当初の予定から変更となり一定の区切りを迎えたため、2019年2月をもってブログの更新を終了させていただきます。皆さま、ありがとうございました!

2017年02月

第一回赤レンガ検討会議議事録

1月18日に開催された第一回赤レンガ検討会議の議事録と資料が半田病院のHPに掲載されました。

 とくに注目してほしいコメントを下に載せましたが是非全文、資料をご覧ください。また、以前候補地について議論された、第3回、4回あり方検討員会の議事録もこの機会に確認してください。

 半田病院の救急救命センター長でありかつ災害医療コーディネーターの田中孝也先生も職員駐車場は災害拠点病院の候補地として不適であると発言しています。

 複数の専門家が不適であると考えている職員駐車場に病院を建設し、災害時に機能できないために「防ぎえる災害死」が生じた場合、それは「想定外」ではありません。
 地域の災害・救急医療を支える先生方のご意見をしっかりと受け止め、市には候補地を再考していただきたいと思います。


愛知県本部災害医療コーディネーター、掖済会病院副院長 北川先生のコメント
「、、、職員駐車場案はかなり危ないということになります。」、「災害時に発災直後から機能できることが必要であり、全く大丈夫かという話でなければ、グレーの状況は黒と考えなければならず、災害時ではアウトとなります。そういうことを考えると職員駐車場案は無理であると思いました。」

半田病院救命救急センター 副センター長 太平先生のコメント
「南海トラフ地震に対する対策は、場所を移動するしか避けられないと思います。普段使いも大切ではありますが、知多半島の中核病院でもあるため災害 に強いものにすることも考えて欲しいです。」

半田医師会長花井クリニック 花井先生のコメント
「職員駐車場も駄目であり、この赤レンガ敷地も周辺道路の 用地買収により拡張を行うことになれば、5年から 10 年の年月や費用が必要になりま す。どちらにしても良い場所とは言えないと思います。もう一度候補地に関しては市の方も再検討してはいかがと思います。市から説明をいただき医師会としてやむを得ず現計画に納得していますが、もう少し考える余地はなかったのかと思います。」
 
                              まとめへのリンク 

議会運営委員会で陳述をしてきました

ご報告が遅れましたが、2月17日に議会運営委員会にて陳述をしてきました。
陳情の内容は以前議長に提出した陳情書(クリック!)を参照 ください。
長いですが、当日の陳述内容です。とにかく、 病院移転問題について、傍観するのではなくきちんと市議会でも話し合っていただきたい!ということです。市民の安全にかかわる大事な問題について、ただ決定を待つだけなら、議会の存在意義って何なのでしょうか?今回の検討会議では、残念ながら話し合う内容に制限がかかっています。だからこそきちんと市議会で話し合い解決策を導き出していただきたいと思います。”話し合うかどうか”は3月2日の議会運営委員会で決定するそうです。

陳述の内容

①陳述の趣旨の読み上げ

②ここで資料について補足説明をさせてください。

資料1は県庁の各部署での聴取書です。1.災害医療グループの見解をごらんください。第1回の赤レンガ東土地検討会議では、事務局長が「24時間対応するのは平時のこと」という趣旨の説明をされていましたが、これは誤りであり、24時間機能することが求められるのは災害時においてということです。

また、12月の市議会にて、「半田病院へのアクセスが不可能となった場合、どこに搬送されるんでしょうか。」という問いに対して、病院事務局長は、藤田保健衛生大学が半田病院の面倒を見る。」といった趣旨の回答をしています。県の見解は、「藤田保健衛生大学は受け入れ病院ではなく、名古屋市南部、三河地域でも多数の重症患者の発生が予測されるため、藤田保健衛生大学をはじめとする名古屋近郊の災害拠点病院はパンク状態になることが予想される」というものです。その上、遠方へのアクセスが保証されない中で、知多半島の重傷者を愛知県の他地域に運ぶことはできません。半田病院が半田市のみならず知多半島の多くの重傷者の命を支える役割を期待されていることをどうぞご理解ください。

さらに、県の見解は、市職員駐車場に新病院を建設した場合、そこも孤立予測病院となること、またそこには救急搬送が行えないということを示しています。

また、資料の2番、維持防災グループ の見解です。第一回新病院構想委員会、資料5-1には舗装厚を58cmにすれば液状化はほとんどおこらないという県の見解が記載されていますが、道路維持課の知る限りそのような見解はないということでしたので、半田市に情報公開請求を行いました。しかしそのような見解を記した文書は存在しませんでした。半田市土木課に問い合わせたところ、土木課が把握している見解とも異なるとのことでした。そして、県道碧南半田常滑線は液状化の危険性が極めて高い地域にあり、何らかの被害が予想されています。一方、あり方委員会の答申には「周辺道路について愛知県の協力を得て半田市としても液状化対策に取り組むこと。」とあります。県は県道碧南半田常滑線の液状化対策を行う予定はありません。

そこでわたしたちは市議会の皆様に以下の4点をお願い申し上げる次第です。

③陳情の項目の読み上げ

④最後に
職員駐車場に病院を建てた場合に、本当に中核災害拠点病院として機能できるかどうか、市民がその場所に病院を建てることを望んでいるかどうか、是非今一度市議会で話し合い、よりよい策をうちだしていただきたいと期待いたします。

また、議員の皆様のところには、病院の移転問題を考え直してほしいという市民の意見が届いているはずです。市議会議員の皆様に伝えれば何とかしていただけると期待しての行動です。どうかこの大切な問題を市議会で話し合ってください。この判断は後世に残ります。大規模災害時にすべては明らかになるでしょう。その時に犠牲になるのは子供や孫の世代かもしれません。子供や孫の世代に遺恨を残すことのないよう、今一度お考えいただきたく存じます。 

中日新聞に掲載されました

中日2月22日

1月19日に開催した「まちづくりと新半田病院を考えるシンポジウム」の様子を中日新聞に掲載いただきました。よりよいまち、そして病院になるようにみんなで語り合う、楽しい会になりました。欧米では公共事業の計画に住民参加の機会を与えなければいけない、なんて法律もあるんだそうです。

  赤レンガ建物の北側には住宅地がありますが、赤レンガ建物の北側は駐車場になっており、白いフェンスで隔てられています。
 「はんだアーキテクツ」の建築士からは、神社や宮池と接するこの土地が住宅地・地域から隔てられているのがもったいないと意見がありました。同部を下部が駐車場となった緩やかな傾斜を持つ人口地盤として芝生広場をひろげ、住吉神社から宮池のふちを通り同じレベルのまま芝生広場・病院敷地に入るルートも提案されました。芝生広場から、宮池側からの景観は素晴らしいものになるでしょうし、おおきくなった広場が地域の方、病院利用者、赤レンガ建物利用者の憩いの場になるのでは、と思います。 

 会の後にみなみ生協病院の建設に携わった方から、貴重な意見を頂きました。みなみ生協病院は名古屋市緑区にある病院ですが「1000人会議」なる会議を45回も行い、まちづくりの一環としてつくられました。生活協同組合が母体ということもあるかもしれませんが、ボランティアも多く、引っ越しの際には多数の住民も手伝ってくださったとのことです。

                                 まとめへのリンク



シンポジウムを終えて

akarenga010
今日のシンポジウムにはたくさんの方にお越し頂き、また、たくさんの励ましのお言葉を頂きありがとうございました。最後に頂いた戸田安士先生のお言葉には感動して涙が溢れました。医療者として、半田に住むものとして、何としてでも安全な場所に病院を移さなければと、思いを新たにいたしました。

  また、はんだアーキテクツのメンバーや参加された皆様とのディスカッションをお聞きし、赤レンガ建物の隣に立つ半田病院が市のシンボル、市民の憩いの場になるという考えが決して夢物語ではない、むしろそうあるべきだとも思いました。

   どうすれば半田市や市長が移転候補地を再考していただけるのか、もう一度皆でよく考えてみようと思います。

検討会議についての新聞報道

 おそくなりましたが昨日検討会議に関する記事が新聞4社に掲載されましたので紹介します。同じ会議でも様々な視点から会の様子が記事にされています。中日新聞さんの記事だけをみると、僕が赤レンガ周辺は全然混雑してないから大丈夫だと、無責任なことを言っているようで、誰かに怒られないか心配になります。
 
 職員駐車場案は安全・アクセスを確保するために建物や道路に予算をかけて補強を行います。
 赤レンガ案になった場合には、この機会に住吉~知多半田 一帯の交差点、道路の改良が行われることを期待します。僕ができるわけではないので無責任な希望ですが。
 
 地形が変わらない以上、自然災害相手には限界があります。補強工事が終わっても津波避難区域から外れたり、孤立予測病院の想定が変わることはありません。市庁舎に避難所の機能を持たせる必要があったこと、それが真実です。

 安全な場所に病院を移すために課題を解決する それが市の役割だと思います
まとめへのリンク

上から読売・朝日・毎日・中日新聞です。記者の皆様、この問題について記事にして頂き有難うございました。
20170217 読売
20170217 朝日
20170217 毎日
20170217 中日

第2回検討会議を終えて


akarenga010

 遅くなりましたが昨日開催された第2回赤レンガ東土地検討会議について報告します
 
  最初に市側から赤レンガ案のデメリットのみを羅列したプレゼンや、防災監から災害対策に関する市の主張が読み上げられました。交通問題に関しては、想定駐車場台数が800台とされながら、朝の8時半までの1時間で職員の796台、患者の162台、合計958台が病院にはいるという計算で、そのため多大な交通負荷となるという内容でした。
   職員は駐車した後そのまま勤務するはずですので、患者用の駐車スペースは4台となります。明らかにおかしいですよね。問いただしましたが納得できる説明もないまま、うやむやにおわりました。
    病院アクセス道路の被害に関して、道路・港湾管理者である愛知県と市の主張に相違があることを訪ねても座長に「(県の)担当者としては安全と言えないんですよ、責任が生じるでしょ」で片づけれてしまったり、さらには 「この会議が「赤レンガ東土地検討会議」であるから、職員駐車場案(埋立地案)についてのことを掘り返すのは議論をみだしている」と他の委員に遮られる始末です。津波警報発令時に救急搬送や職員参ができるのかという問題も、うやむやなままで終わってしまいました。
    病院の建設地によっては「防ぎえる災害死」を招きます。これまで行われてきた候補地に関する議論では納得できない、安心できないため、我々を含め多くの市民や、災害・医療関係者が声を上げているのです。リスクに正直に向き合い、議論が行われることを望みます。
 
    明るい話題にかわります。
 
  今回会議において「はんだアーキテクツ」のメンバーがスケッチした病院の外観図を提示しました。高層部分を5回までに抑えること、人口地盤の下に駐車場を配置するなどの工夫もあり赤レンガ建物や周囲環境ともマッチした素敵な病院となっております。これはあくまでもイメージ、一つの案ではありますが、赤れんが建物の価値を毀損するどころか、市民の安全、平和と歴史を重んじる市のシンボルとなるような病院も、夢ではないと思います。
  何度もお知らせいたしましたが、2月19日14時から 宮池会館にて「まちづくりと半田病院を考えるシンポジウム」を開催いたします。検討会議を開催するといっておきながら、赤レンガ案のデメリットしか提示しない市に対して、爽やかに赤レンガ案のメリット、魅力を示すことができるような楽しい会にしようと思います。
    今回はざっくばらんに話し合う座談会のような内容です。お子様連れも可、お子様にはお絵かきや工作をしてもらいます。  皆様お誘いあわせの上是非ご参加ください。                                                                                                                                                                                                                                                         浅野周一

まとめへのリンク


会議へ提出した聴取書を転記します。これまでの市の主張といくつかの相違点があります。

 愛知県各部署からの聴取書

 

                            医師  浅野周一

 

2017131 愛知県県庁にて各担当部局にて聴取し作成。記載内容に関しては各担当者に確認をとった。

 

1.愛知県健康福祉部医務国保課

 

・半田病院は知多半島で唯一の救命センターを有し、知多半島の中核災害拠点病院である。

・災害拠点病院に対する国・県からの直接の補助金制度は終了したが、税源移譲がなされ災害拠点病院・救命センターを抱える自治体にはその分の地方交付税交付金が上乗せされている。計算方法が複雑で半田市におけるその金額を医務国保課は把握していない。

・災害拠点病院の要件「24時間緊急対応し、、」とは災害時の対応を意味する。平時において24時間緊急対応することは救命センターの要件である。

・半田病院が職員駐車場に建て替えられることになっても、その指定を解除することは検討していない。

・災害拠点病院の移転に関する県の対応について規定はないが、災害拠点病院である半田病院においても、上記要件を満たし、その機能を発揮できるよう努めることが望まれる。

災害時に半田病院が機能できない場合、藤田保健衛生大学が受け入れ病院となるという理解は間違いである。藤田保健衛生大学はDMATの活動拠点であって受け入れ病院ではない。受け入れ先の決定は県の災害コーディネーターの役割であるが、名古屋市南部、三河地域でも多数の重症患者の発生が予測されるため、藤田保健衛生大学をはじめとする名古屋近郊の災害拠点病院はパンク状態になることが予想される。

・半田病院は、現在液状化の危険性が高い地域に位置しており、孤立予測災害拠点病院である。同様に液状化の危険性が高い地域に移転された場合、そこもまた孤立予測災害拠点病院として扱われる

・救急搬送に関しては救急隊の搬送ルールに基づくが、原則津波警報発令中に津波避難区域内への救急搬送は行わない。職員の参集を行うかどうかは病院のとりきめによる。

 

2.愛知県建設部道路維持課 

 

・第一回新病院構想委員会、資料5-1に記載されている愛知県の見解「舗装の厚い道路の液状化はほとんどおこらない」は、維持防災グループでは出しておらず、どこの部署が出したか把握していない。

・県道半田碧南線の液状化については、何らかの被害が生じるかどうかも、調査をおこなっておらず現状では不明。また、今後の調査の予定はない。自然が相手であり、道路面の変状がおこるのか埋没物の浮き上がりがおこるのか等どのような被害がでるのかについては予測がつかない。

・第一次緊急輸送道路の復旧については、どれくらいかかるかは予測できない。まずは被害状況を、地方機関である知多建設事務所が確認し、業者に復旧作業を依頼する。東日本大震災では道路啓開に1週間程度要している。道路が津波避難区域内にある場合、津波警報発令中は確認作業自体が困難であろうと考えられる。

 

 

3.愛知県河川局河川課 

 

・現半田病院周囲の堤防は、伊勢湾台風レベルの台風に対応した構造となっているが、それより大きな台風がきた際には溢水し堤防が決壊する可能性がある

・現在の高潮浸水想定図は、堤防が決壊しなかった場合のものであり、決壊した場合の高潮浸水想定図は5年後に完成する予定である。

・上記の新たな高潮浸水想定図では浸水継続時間も示されるが、現時点では浸水継続時間の予想はない。 

・地球温暖化による海面上昇(気象庁の予想では2100年までに50㎝前後)の影響は高潮の浸水予測において検討されていない。

・津波浸水想定図は液状化により堤防が破壊され75%沈下したあとに津波がくるという設定でつくられている。上記では堤防の補強状況によらず堤防が破壊されると想定されており、阿久比川周辺の堤防補強工事が終了しても津波浸水想定図は変わらない。堤防補強工事(耐震化)した堤防は想定最大(数千年に1度レベル)には対応していないが、数十年から百数十年に1度のレベルの揺れに対応した構造となっている。しかし、その場合も堤防上の道路のアクセスが保たれるかどうかは不明である。

 

液状化現象や軟弱地盤について

新病院の建設予定地である半田市職員駐車場は埋立地です。ハザードマップでは「液状化の危険性が極めて高い地域」とされています。
過去に同じような規模で被害を受けたところは同じ被害を繰り返すと言われていますが、過去の被害はどうだったのでしょうか。
1944年に半田市は昭和東南海トラフ地震を経験しています。戦時中の箝口令により地震被害の実態は伏せられていましたが、当時の地元新聞社の報道追跡や被災者の体験談を記した図書(下記画像参照)があります。この本のなかで、中島飛行機半田製作所山方工場にいらっしゃった方の体験談も載っていました。山方工場は一瞬にして倒壊し、多くの死者をだしました。もともと紡績工場だった建物を軍需工場に改造する際、飛行機を作る空間を確保するために邪魔な柱を切り落としたことが工場自体の強度を著しく弱体化し倒壊を招いたそうです。それに加え、軟弱地盤であったことも原因の一つとされています。本のなかにも「地面は割れて生き物の如く動いている」という記述があります。掲載した資料にある「噴砂泥水」という事象も液状化現象のひとつです。以前、ブログにも掲載しましたが、戸田先生は本工場の大規模な液状化を目撃されています。液状化現象が多大な被害をもたらすことが認識され、科学的に研究される契機になったのは、1964年のアラスカ地震と新潟地震ですので、当時は「液状化」という認識はなかったそうです。さらに、戸田先生の体験談によると、源兵衛橋の東(半田病院周辺地域)と西で工場以外の建物についても被害状況が全く異なっていたそうです。
建物それ自体は地盤改良や杭工事で対策できたとしても周辺の道路、土地まですべて対策することは困難と考えられます。
現に、半田病院へのアクセス道路とされる県道碧南半田常滑線は液状化対策はされておらず、なんらかの液状化被害が予想されている道路です。 半田市ハザードマップによると職員駐車場周囲は地盤が弱いためか想定震度が高く、理論上最大モデルでは震度7と予想されております。大きな被害を出した昭和東南海地震の半田市の震度は6です。
病院はアクセス遮断リスクのより低い場所に建てていただきたいです。
スライド1
スライド2

 

病院と防災・減災について考える

 半田市の災害対策にかかわる市民団体、NPO等々のメンバーのかたからご連絡をいただくことがあります。「半田市職員駐車場に建てることには災害対策上絶対反対。でも自分が公に発言することはできない・・・」とおっしゃるかたも。本当にそれで良いのでしょうか?
 半田市の防災対策の一環として、病院の立地について考えることは災害対策にかかわる人として当然のことであり、務めでもあると私は思っています。
 しかし一方でこのような現実もあります。私たちは、はんだまちづくりひろばで市民団体登録をしようと思い、相談にいきました。すると、「市と同じ方向を向いていない活動は限りなく政治活動と捉えられるので登録は難しい」と言われました。半田病院が地域に愛される病院になるように、災害時に機能できるように地域の防災対策について考えることは、市と同じ方向を向いていないのでしょうか??そもそも市と同じ方向を向いていない=政治活動なのでしょうか?(政治活動とNPOについてはこちら
  正しいと思うこと、市民のためになると思うことを誰もが主張できる半田市になることを願います。 私たちの会とは関わりなく、災害対策にかかわる学会や勉強会は各地で行われています。市の災害対策に関わる方々には、本当に市職員駐車場が新病院建設地として妥当かどうか、今一度議論をし、意見を述べていただきたいと思います。

ほんとに混んでる? 現在の交通状況

通いやすい便利な病院になります!グーグルマップ v3

交通状況まとめスライドへのリンク (PCだと閲覧がスムーズです)

皆さんご存知ですか?グーグルマップでは現在の交通量が表示されます。これはいわゆるビックデータを利用した交通シミュレーターでスマホの移動速度からリアルタイムで混雑度が表示されます。さらに、過去の平均的なデータ、季節などから曜日、時間を指定すると予測される交通量や移動する場合の所要時間もわかるんです。残念ながらどのくらいの期間の平均なのかとか計算式は企業秘密で公にされてないのですが、クリスマスなどのイベントや踏切の通過時間なども計算に入れたかなり精度の高いシミュレーションのようです。しかも商業利用でなければ使ってもいいと、さすがグーグルさんです。

 そこで、二つの候補地周辺道路の平日朝と夕方の交通量、主要地点からの所要時間(車、電車)になどついて調べてみました。

 見て頂くとわかりますが
 平均的に赤レンガ建物周辺の交通量は多いけれど、半田市内の他地区と比べて大差ないこと(特に平日朝)、半田中央インターはもちろん、半田インターからも赤レンガ建物のほうが近いことがわかります。
 みなが以前からイメージする渋滞が生じていないのは、青山駅が高架化したことが影響しているのかもしれません。

 これはあくまでも現在の状態で、病院により少なからず交通量が増えるのであくまでも参考です。しかし現時点で病院を安全な場所へ移す可能性をなくしてしまうほどの酷い渋滞があるとは言えないと思います。

 現在も北西方面から半田病院に向かう人の多くがこの周辺を通っていること、病院建設に当たって南側国道に周囲と連動した信号をもうけたり、周囲交差点の改良を行うこと、電車や徒歩で来院する職員患者が増えること、なども考慮し、しっかり交通シミュレーションを行い判断すべきでしょう。
  まとめへのリンク

視察や聞き取りから得られるもの

 半田病院や市庁舎の建て替えに関する資料をみていると、災害に関してはなんともポジティブな解釈が目立ちます。

 ・宮城県亘理郡亘理町総務課長、企画財政課長からの聞き取り調査では、
  「都市機能(消防署、警察署)が集中していることは優位に働いていると感じた」 (半田市庁舎建設前平成23年5月14日聞き取り)
 ・東日本大震災の被災地の病院関係者からも「市役所、病院、消防署が近接している長所を、災害対策に活かすべきと」助言をもらっていること
  (第4回半田市立半田病院あり方検討委員会、アイテック発言より)
  →これは半田市役所のとなりに病院を建てる根拠のひとつとされています。
  
  「液状化については、平成24年秋にセミナーで専門家から東日本大震災では、半田病院周辺と同じような立地条件の場所については大きな被害はなかったと回答いただいています。」(第4回半田市立半田病院あり方検討委員会、アイテック発言より)

被災地での視察・聞き取りやセミナーから、他にどんなことが得られたしょうか? 災害対策を考えるうえでは、安心できること、都合のいいことばかりとりあげるのではなく、危ないところ、対策すべきところを探す慎重な姿勢が必要ではないでしょうか?
ちなみに宮城県亘理町は、まちに高台といえるような場所はなく、広い地域で津波被害にあい、海岸から6kmほどのところまで浸水がおこってしまいました。しかし、役場、消防署、警察署は海岸からおおよそ8kmほど離れたところにあり浸水被害は免れたそうです。ただし役場は耐震工事が完了しておらず、揺れによる被害をうけて使用できなくなりました。現在も同土地にある仮設の役場を使用しています。役場担当者へ上記発言について尋ねたところ「安全なところに都市機能を集中させる」というのが基本的な亘理町行政の考え方だそうです。

私には被災の経験がありませんので、過去から学ぶしかありません。
対策できること・できないこと、 どこにどのように逃げるのか、
安全な理由を探すより、1%でもリスクを下げられるよう考えるべきではないでしょうか。
最新コメント